厳かな雰囲気が魅力の神前式では、式に伴った様々な仕草があります。「立つ」「すわる」「歩く」といった何気ない動作でも、和装の時はぎこちなく見えてしまうこともありますよね。また和装で美しい仕草ができれば、より一層華やかで美しく見えます。
普段着慣れない着物だからこそ、キレイに見える仕草のコツを知っておくことが大事です。そこで、和装が美しく見える立ち居振る舞いについてご紹介したいと思います。
目次
和装の基本の立ち居振る舞い
立ち方
足は片足を半歩ほど後ろに引き、重心はつま先におきます。きものは帯でお腹回りが大きく見えがちなので、お腹を引っ込めて立つのがコツ。末広は右手でかなめの部分を上から持ち、左手で先を下から支えるように添えます。
歩き方
土踏まずに重心をかけ、やや内股で歩幅を小さくゆっくり歩きます。褄(つま)は4本の指を着物の輪の中に入れ、親指で内側に折り返すように持ち上げます。お引きで歩く場合は裾を足の外側面で一緒に運ぶようにすると歩きやすいでしょう。
手を引かれるとき
移動の時に新郎や介添えの方に手を引いてもらう時は、右手で褄(つま)を持ったら、左手を相手の手のひらに軽くのせ、腕を伸ばさずに手が届く距離で手を引いてもらいましょう。
和装結婚式での立ち居振る舞い
祝詞奏上 お辞儀の仕方
斎主が祝詞を読み上げているときは、低頭して拝聴します。首だけを曲げると見た目も悪く、深すぎるとかつらが重みで落ちそうになります。あごを少し引き、頭ではなく腰から折るようにお辞儀をしましょう。目は少し伏せて、手は前で組んでおきましょう。
三献の儀 盃の持ち方
指を広げて持つとがっちりとした、肘を広げると男性的な印象になってしまいます。指を揃えて盃を包むような感じで持ち、肘は脇に軽くつけ、盃を自分の口まで持ってくるようにすると良いでしょう。
披露宴での和装の立ち居振る舞い
乾杯
乾杯で手を上げたときに袖がずれて二の腕まで見えると見苦い印象になります。グラスを持っていない方の手で袖を押さえるようにし、手も上げすぎないようにしましょう。
ケーキ入刀・キャンドルサービス
ケーキ入刀やキャンドルサービスのときにも、片手をナイフやキャンドルに添え、もう片方の手は袖口を押さえるようにします。
料理を食べるとき
披露宴の最中に新婦はあまり食事できませんが、食べるときは着物の袂の扱いに気を付けましょう。箸を使うときや、遠くのものを取るときなども袖口を押さえ、腕があまり見えないように気を付けます。ひざの上にはナプキンを広げておくと安心ですね。
写真撮影での和装の立ち居振る舞い
体の角度
右向きに立つ場合は体の左襟側をカメラに向けて立つと、合わせの部分からきれいなラインになり、着物の見栄えする部分が出るのでより美しく見えるでしょう。
左向きに立つ場合は襟合わせが大きく見え、上前の柄が見えにくくなります。また、はこせこで襟元の中も見えやすくなってしまうので、上半身は正面を向くようにしましょう。
ふたりで並んだとき
ふたりで並んで撮るときは、お互いが八の字になるように並びましょう。新郎は左肩、新婦は右肩を重ねるようにし、肩を内側に引きます。肩は新婦が手前にくるようにするのが美しいでしょう。
撮影ポイント おまけ
引き振袖を着た時にお薦めなのが後ろ姿の撮影です。花嫁ならではの華麗な帯結び、抱え帯の結び目、美しく広がる裾などをぜひ写真に残しておきましょう。また、日本髪をした場合は華やかなかんざしや美しい襟足も撮影ポイントですね。
車に乗り込むとき
振袖の場合は袖を体の前で重ねてからシートに腰を下ろします。次に頭を下げて車内に入り、腰を回転させて足を車内に運んで乗り込みます。降りるときはこの逆をします。また、車内では帯の形を崩さないように浅く腰掛けるようにしましょう。
打掛の場合は介添えの方に手伝ってもらい、角隠しなどが車に当たってしまわないように気を付けましょう。
最後に
ほとんどの方が、成人式以来着物を着ていないから不安と思っていると思います。時間があれば着付けのお稽古に通うなどし、着物を着る機会を持つと当日の所作がスムーズになり、不安が少なくなるでしょう。
でもそんな時間なんてない、という方は、この記事内容を思い出しながら、ゆっくり動くことを意識してみて下さい。
当日誰よりも美しく輝く花嫁になれるよう願っています。
