私は読書が趣味で、好きが高じて書店で働いていた時期もあります。
私の場合、一度ハマると同じ作家さんばかり読み漁り、新規開拓がなかなか出来ないため、他の読書好きの方に比べるとそこまで多い量の本を読んだとは言えないかもしれません。
そんな私ですが、今回『おススメの恋愛本』を紹介させて頂きます。
目次
ハンサムガールズ(森瑶子・著)
かつて同じ高校の演劇部に所属していた5人の女性。それぞれのストーリーがオムニバス形式で進められ、作品全体が展開してゆきます。
彼女達が素敵な恋に巡り合えたのは、日々の仕事や夢への実現を一生懸命頑張っているから。時には挫折を味わい、傷ついたこともあるから。そして自分自身へのリスペクトを忘れていないから。
便利な連絡ツールがなかったこの時代ならではの、男女のやり取りや駆け引きは必見です。そこから伝わって来るヒリヒリ感が何と言えません。森瑤子さんは93年にお亡くなりになりましたが、彼女は恋愛模様を文字で描く最高の作家の一人であると、今でも思っております。
わたしの手元にある文庫本の初版は91年なので、現在は流通していないかもしれません。もしも図書館やリサイクル書店でこの本に出会ったら、一度手に取って頂き、ページをめくって貰えたら嬉しいですね。
東京ラブストーリーAfter25years (柴門ふみ・作)
次は漫画です。
90年代の初めに社会現象になった『東京ラブストーリー』の25年後を描いた続編です。
若い皆さんも何となく知っているかもしれませんね。
主要登場人物の女性を超簡単に述べると、『動』のリカと『静』のさとみの二人で、当時は『リカ派かさとみ派か』なんて友達と真面目に話していました。
私は完全に『さとみ派』でしたが、『After25』ではリカがいい女になって登場しています。…ていうか、アラフィフになって『東京ラブストーリー』を読み返してみると、「昔のリカってこんなに可愛かったんだ」と印象が変わりましたね。
勿論、続編のさとみも素敵です。いい意味で変貌を遂げていました。
意外だったのは、たまたま『After25』を読んだ娘(当時17歳)が、「お母さん、これ面白い」と言った事。ならば…と昔の文庫版も全部読ませたら「ヘタな少女マンガより面白い」との事でした。
いい作品はこうやって年代を超えるんだな…と実感。
ただし、娘はリカ派でもさとみ派でもありませんでした。「どっちも面倒くさい」とのこと。現代の恋とはちょっと違うのかな?
でも熱量の多い恋に触れたい方には必見の一冊です。
友情(武者小路実篤・著)&源氏物語関連本(紫式部、他・著)
『武者小路実篤』なんて現国の授業で名前を聞いた位のレベルでしたが、あるラジオ番組で、彼の著書『友情』を取り上げていたのがきっかけで、興味を持ちました。
主人公は野島という23歳の文学青年。ある女性に恋をしますが、その状態がかなり『痛い』です。もう『ひとりよがりの極み』というか…。とにかく読んでいるこちらが恥ずかしくなりそうな思考回路ですが、それでも読み進めてしまったのは、彼の気持ちがよく解るからです。はい、昔の私は野島のような人間だったと自覚しています。
この小説にもっと早く出会っていたら、若い頃の片思いで作った多くの黒歴史を減らす事が出来たかな…と考える時があります。正に『人のふり見てわがふり直せ』ですね。
『源氏物語』は高校の古典で「いづれの御時にか…」という部分を暗記させられていた思い出があります。はっきり言ってつまらなかったです。
私がこの千年前の物語に興味を持ったのは30歳を過ぎてからでした。登場人物の女性達の魅力が分かったのがきっかけでしたね。当時の貴族の女性は『政治の道具=お人形』のような印象でしたが、ここでは全員がそれぞれの意思を持って、源氏の愛に向かい合っています。
その対処の仕方は現代の女性にも通じる筈です。
個人的には『明石の君』が自分の立場を理解して、一歩引いている姿は見事だと感心してしまいます。でも一番好きな女性は、プライドの高さが邪魔をしているけれど、本当は可愛い(あくまで私個人の印象)『葵の上』ですね。
まずは漫画の『あさきゆめみし』(大和和紀・作)から入るのがおススメです。ほかにも『源氏物語の女性』に関する本は多数出版されているので、あなたの恋のお手本にしたい女性を見つけてみてはいかがですか?
<選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論> (ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ・著)
私の書店員時代に発行された本です。人気があった為、暫くの間『面陳列』されていたのを見ていたので、いつか読もうと思っていました。
タイトルに『選ばれる女』という言葉が使われているので、受け身のような印象を受けますが、実際は「貴男に選ばせてあげる」という意味も含まれているのでは…と感じました。
彼女が『デヴィ夫人』になることができた理由は、ただのラッキーガールだった訳ではなく、それまでに積み重ねた努力とパワーがあったからなのだ…ということをこの本で初めて知りましたね。
そんな夫人は、若いお嬢さん達の為にたくさんの言葉を送っています。それらは大切な『商品』でもある為、ここに書くことは出来ませんが、勝手にまとめさせてもらうと『頬杖をついて待っているだけのシンデレラの元へは、素敵な王子様はやってこない』という感じでしょうか。
是非読んで頂いて、貴女の心に響く言葉を見つけて欲しい一冊です。
まとめ
テレビや動画も楽しいですが、思い立った時にページをめくり、自分のペースで読み進める事が出来る本や漫画は絶対におススメですよ。
他にも素敵な恋愛本がたくさん発行されています。あなたの恋に効く素敵な一冊が
見つかりますように。