ウェディングケーキは、結婚式の代名詞ともいえる重要なアイテム。普段はなかなかお目にかかることのない特大サイズのケーキは、会場に入ってきた瞬間からゲストの注目の的です。
ここでは、ウェディングケーキにまつわるあれこれをご紹介。3段重ねである理由や、近年のケーキ事情など、ウェディングケーキに関するさまざまな知識をお伝えしていきます。
目次
起源は18世紀のイギリスにあり
ウェディングケーキの起源には諸説ありますが、豪華で見栄えのする形になったのは18世紀後半のイギリスでのこと。
当時、ブライドケーキ(花嫁のケーキ)と呼ばれていたウェディングケーキは、1段のものでした。
ところが、ヴィクトリア女王の第一王女の結婚式で、贅を尽くした3段重ねのウェディングケーキが登場。豪華な装飾が施され高さがあるケーキは、市民の注目を集めたといいます。それが、現代にも伝わるウェディングケーキのモデルになっているとか。
3段重ねのケーキには意味がある!
ウェディングケーキといえば、3段重ねの豪華なイメージ。
でも3段重ねのウェディングケーキは、見栄えだけを重視して作られたわけではありません。イギリスでは、ケーキ1段1段に意味が込められているんです。
最下段
3段重ねのケーキの最下段は、披露宴のゲストに振る舞うためのもの。
大きなケーキを切り分けるのは、昔は花嫁の仕事。人前で上手に切り分ける姿を見せることで、しっかりと家事をこなせるんだというアピールになったといわれています。
真ん中
真ん中の段は、結婚式に不参加の人へのおすそ分けとされました。
結婚式の象徴であるウェディングケーキのおすそ分けは、幸せや喜びをいただけると喜ばれていたはず。
最上段
ウェディングケーキの最上段は、結婚記念日や子どもが生まれたときなど、お祝いの席で食べるために大切に保管していました。
昔のケーキは、砂糖をふんだんに使ったものが主流。保存料ともなる砂糖が多く含まれていたため、長期保存が可能だったんですよ。
イギリスでは現在も、「最上段は保管して記念日に食べる」という習慣が残っています。
「ケーキ入刀=新郎新婦の共同作業」といわれる理由
一昔前の結婚式では、ケーキ入刀の際に司会者が「新郎新婦、はじめての共同作業です」と言って場を盛り上げました。おおげさな言い分だと思われがちですが、実はちゃんとした歴史にもとづいているんです。
当時、ケーキカットは花嫁の仕事でした。しかし昔のウェディングケーキは、ラム酒漬けのフルーツが入ったバターケーキに、マジパンやシュガーペーストで装飾をあしらったもの。華やかさがある反面、とても硬く切りづらかったといわれています。
ケーキカットに苦戦する花嫁に、手を貸したのは花婿。力のある花婿のおかげで、無事にケーキを切り分け、ゲストに振る舞うことができたというわけ。
このアクシデントのおかげで、「ケーキカットは夫婦の共同作業」、というセレモニーが誕生したんですね。
ファーストバイト
ファーストバイトとは、ケーキカット後に、新郎新婦がケーキを食べさせ合う演出のこと。その起源は欧米にあり、現地ではファーストイーティング、ケーキシェアリングと呼ばれ親しまれてきました。
日本で行われるファーストバイトには、新郎新婦それぞれに意味が込められています。
新郎から新婦へのバイトには、「あなたを食べ物で困らせません」という意味が、新婦から新郎へは、「美味しいご飯を作ってあなたを支えます」という意味があるんです。
男性は仕事、女性は家事を請け負うというのは、昔ながらの役割分担。現代には相応しくないかもしれませんが、1つ1つの所作に意味をつけるところが日本らしいといえますよね。
現代のウェディングケーキは多種多様!
デコレーション技術の向上により、現代のウェディングケーキは日々進化しています。
2段、3段重ねはもちろん、カラフルなデコレーションも可能に。オリジナルのデザインで、ゲストをあっと言わせるウェディングケーキを用意する新郎新婦が増えています。
キャラクターものや共通の趣味を思わせるもの、結婚式のテーマになぞらえたものなど、世界に1つだけのウェディングケーキでゲストをもてなしたいものですね。
ウェディングケーキは奥が深い!
文明の発達とともに形を変えてきたウェディングケーキですが、結婚式を彩る大切なものであることは、今も昔も同じです。
印象的なケーキでケーキカットやファーストバイトをして、披露宴を大いに盛り上げてくださいね!