結婚式で持つブーケの意味を知っていますか?
「花嫁姿を美しく見せるため?」「ドレスを着た時に手元が寂しいから?」
そう思う方が多いかもしれませんが、実は花嫁がブーケを持つ意味には諸説あり、謎が残されたままなんです。今回は、ブーケの意味、由来、歴史についてご紹介します。
目次
ブーケの意味:直訳すると?
「ブーケ」はフランス語で「bouquet」と書きます。意味は、生花や造花を束ねた花束のこと。つまり、結婚式で花嫁が持つウェディングブーケ以外の普通の花束も「ブーケ」に含まれます。
でも、本場フランスではそうかもしれませんが、ここ日本では「ブーケ」と言えば、結婚式で花嫁が持つものを指すのが一般的。お花屋さんでは、細長い花束は「花束」、丸い形で花がきゅっと詰まった花束を「ブーケ」と呼ぶこともあるようです。
ブーケの意味:結婚式に使われる由来は?
プロポーズの儀式の名残
最もよく知られているブーケの由来は、プロポーズの儀式に関係したもの。男性が花を摘んで「ブーケ」を作り、それを結婚して欲しい女性に差し出します。プロポーズにOKなら花束の中の1輪を男性の胸ポケットにそっと挿す…というストーリーです。
この時に男性からプレゼントされた花束がブーケの由来、胸ポケットに挿した花がブートニアの由来。だから、ブーケとブートニアはお揃いの花で作られるようになったのでしょう。
ブーケとブートニアはお揃いでないといけない!というルールはありませんが、プロポーズのエピソードを知ると「やっぱりお揃いが良いな…」という気分になりますね。
魔除けとして持ったのがきっかけ
現代の結婚式で使われるブーケは見た目の華やかな花材が主流ですが、ヨーロッパ諸国ではハーブなど香りのある植物で作られた「タッジーマッジー」というブーケが古くからあります。
香りのあるハーブには虫よけや抗菌作用があるということで、タッジーマッジーは魔除けとして活用されていたようです。そして、花嫁を守るためにタッジーマッジー(ブーケ)を持ったのが始まり…そんな説もあります。
タッジーマッジーには多くの謎が残っており、綴りも「Tussie-Mussies」「Tussy Mussy」「Tuzzy Muzzy」など色々なパターンがあるほど。
香りのある植物を身に付けるようになったのは、ヨーロッパでペストなどの伝染病が流行っていた中世。最初は病気予防という実用的な目的がありましたが、16世紀にはアクセサリーとしてタッジーマッジーを持つように。
その頃から恋人たちはタッジーマッジーを贈り合い、花言葉の意味を解読し合って楽しんでいたそうです。タッジーマッジーには、ミステリアスでありながらロマンチックな歴史がありますね。
花冠の代わりとして広まった
1800年代前半のヨーロッパでは、ブーケの代わりに頭に花冠を乗せた花嫁が一般的でした。この花冠がいつの間にか「ブーケ」に変化したという説もあるようです。
この時代の花冠に使われていたのは「白いギンコウバイ」や「オレンジの花」。白は純潔を意味し、オレンジはたくさん実をつける=子宝に恵まれるという意味があったため、この2つの花は「花嫁の花」とされていたとか。
花冠はブーケよりも古くからあった習慣というのが意外ですが、そう言われて考えてみると花冠にノスタルジックな雰囲気があるのも納得できますね。
ブーケの意味:歴史は?
世界的には古代ローマ時代から
男性が花を集めてプロポーズしたのがウェディングブーケの由来のひとつですが、このプロポーズ法の始まりは古代ローマ時代。この時代は、プロポーズはブーケ(花束)、結婚式では花冠を身に付ける…こんなスタイルです。
その後、中世になると、先に紹介したタッジーマッジーが流行します。そして、1840年のヴィクトリア女王とアルバート王子の結婚式で、初めて今と同じ形のウェディングブーケが登場。それがきっかけで、ブーケを持つ習慣が爆発的に広まったと言われています。
このように、結婚式のブーケには長い歴史があります。
日本では1960年くらいから
日本でブーケが一般的になったのは1960年代。なぜなら、それより前は神前式など和婚が当たり前でドレスを着る習慣がないのでブーケの出番がなかったのです。
でも、洋装で結婚式をする人が増え始めた1960年代から、ウェディングドレスとブーケがセットで日本の結婚式に入ってきました。日本でのブーケの歴史はまだ浅いんですね。
ブーケの意味を知って結婚式をより楽しくしよう
ブーケには古代ローマ時代からの歴史があり、色々な変化を経て現在のような形になりました。
ブーケにこんな背景があったことを知ると、これまでとはブーケの見え方が変わってきませんか?思い出に残る素敵なブーケをオーダーして、結婚式を楽しんでくださいね。